アウトバウンドで蓄積されている膨大な顧客データ。そのデータのどこに焦点をあて、なにを読み取るかによって、コールセンターの舵取りは大きく変わってきます。データにスポットをあてる際に、ヒントになるのが「おむつとビール」の考え方。営業戦略を組み立てる際の一つの手法として、この発想を取り入れてみましょう。
なんで売れるの?データにしかわからない真実がある!
風が吹けば桶屋が儲かる──このフレーズは、誰でも一度は耳にしたことがあるでしょう。一つの事象が発生すると、そこから連鎖し、まったく関係のない物事に影響を及ぼすことを例えたことわざです。
これと似たような現象が、アウトバウンドの世界でも起きているかもしれません。まったく接点のないと思われる商品が、なぜか連動し、セットで売れる。…データマイニングの世界では有名な「おむつとビール」の逸話があります。「おむつ」と「ビール」の関係性を問われても、まずピンとくる人は少ないでしょう。一般的にこの話は、次のような流れで解釈されています。
【1】子どものいる家庭では、母親は、かさばるおむつの
買い出しを父親に頼んでいる
【2】おむつを買いに来店した父親は、自分へのご褒美として、
ビールも買って帰る傾向がある
【3】おむつとビールを並べて陳列したところ、
売り上げが上昇した
実はこの話、真偽は確かではないのですが、一つだけ言い得ていることがあります。
それは、売上データの数値からでしか、見えてこない真実があるということ。常識的な人間の着眼では、“おむつ”と“ビール”は、どこまでいっても結び付かず、一緒に並べて売ってみようとは思わないからです。
固定観念を捨て、自社商品の購買傾向を再チェック
アウトバウンドにおいても、「おむつとビール」の例えのように、一見無関係と思われる商品が、実は強く結びついている可能性が潜んでいます。例えば、アウトバウンドの現場では、こんな関係性がないでしょうか?
【例1】商品×商品の場合(健康系のアウトバウンドの現場の例)
・ジョギングシューズを購入した人に、その後「健康飲料A」をおすすめすると、購入する可能性が高い。
健康志向が高い人が、ジョギングシューズを買った時に、その効果を高める健康商品を購入する…と言う考え方。ジャンルにとらわれず、他にもジョギングに関連するガジェット、CD、場合によっては海外マラソン等旅行商材というような、大きな幅を持った提案もできるかもしれません。このような幅を持って着目するのが重要なアプローチの一つです。
【例2】年齢×商品の場合(食品配送を中心とした通販)
・高齢者に対して、何か購入した際に「米」や「水」など重量のある商品をおすすめすると、クロスセルにつながる可能性が高い。
高齢者にとって、日常の買い物は負担のかかる作業。特に米や水などの重量のかさむ商品は、配送してもらえればと考えるはずです。高齢者ならではの購買傾向をデータから読み取ることで、プラス1の追加販売も可能になります。
このような「商品×商品」「年齢×商品」の組み合わせ以外にも、“季節”“曜日”“日時”“頻度”など、データの掛け合わせはさまざま。まずは、固定観念に捉われることなく、自社商品の購買パターンを洗い出してみましょう。
――もし、こうしたことに心当たりがあるならば、その関係性を発見するために、自社商品の購入データを詳細に分析することをおすすめします。その時、データの裏側にある“真実”が読み取れるかもしれません。
●まとめ
商品が売れる背景を膨大な情報から分析することは、客単価のアップに寄与するばかりでなく、営業戦略の立案にも欠かせません。また、アウトバウンドの現場の気付きからも、このような売れる関係の発見につながるかもしれません。
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