アウトバウンドでは、顧客の心の動きをつかむトークをしてこそ購買につながります。そのためには、「購買心理の7段階」に則ったトークの作成がカギ。このトーク術を具体例を交えてご紹介します。
「購買心理の7段階」でお客様の心の動きをキャッチ
唐突ですが、誰かを好きになった時、あなたはどのようにふるまうでしょうか。当然、いきなり「結婚してほしい」とは言わないはず。実はアウトバウンドでも「買ってください」と架電してすぐお願いするのは、それと同じぐらい唐突なこと。相手の心理状況を見極め、お客様が興味を示すプロセスに沿ってトークを展開することがゴールにつながるのです。
この購買に向けた心理的プロセスが「購買心理の7段階」。お客様は買うことを決断するまでに、
(1)注意→(2)興味→(3)連想→(4)欲望→(5)比較→(6)確信→(7)決断
という7つの段階を踏む、というものです。アウトバウンドでは、この7段階の心理状態に沿ってトークスクリプトを作成し、短時間のうちにお客様の心をつかむことが、成果を上げることにつながります。
注意から決断へ。顧客心理に沿って一歩一歩前進
それでは実際に、既存顧客に化粧品を手掛けるアウトバウンドを例に「購買心理の7段階」がどのようなステップを踏んで進むのかを見てみましょう。
●第1段階:注意
まずは注意を引かなければ会話は始まりません。「ちょっと話を聞いてみてもいいかな」と思わせるのがポイントです。アウトバウンドでは、はじめに白黒をつけさせるようなことを言うのはNG。映画の予告編のように、期待感を盛り上げ、本編に持ち込むようにしましょう。
≪トーク例≫
「いつもご利用いただきありがとうございます。今回は、○○様にいつものお礼としまして、ほかの方にはお伝えしない情報を…」
●第2段階:興味
注意を引いたあとは、いかに興味を持たせるか。興味のない商品に対し、真剣に耳を傾ける顧客はいません。興味を持たせるためには、お客様を引きつけるインパクトと意外性のある言葉が必要になります。
≪トーク例≫
「最近、○○が話題になっていますが、ご存知でらっしゃいますか?お早目に対策をすることで、こんな効果が…」
●第3段階:連想
興味の次にくるのが連想。お客様は商品を実際に使用している場面をイメージできなければ、購入には結びつきません。楽しさや快適さなどを具体的に想像できる言葉を選択するのがポイントです。
≪トーク例≫
「きちんとやろうと思うと、とても大変ですよね。でも、1日1回、寝る前に~するだけで、こんな効果が得られる方法があるんですよ。」
●第4段階:欲望
連想の次の段階は欲望。商品を購入することで、どのようなメリットが生まれるかを端的に伝えます。自分にとってプラスになる要素が明確になることで、買う意欲は一気にアップ。「出世したい」「健康になりたい」「痩せたい」など、さまざまな欲求に働きかけましょう。
≪トーク例≫
「いくつになっても、お肌のお手入れは大事ですよね。有名人の某さんがあんなにきれいなのは、毎日コツコツ積み重ねたからだそうですよ。これからでもまだ、間に合います…」
●第5段階:比較
欲望の段階から、さらに一押しするのが比較。購入を決める際には、他社商品などと比較し、“お得感”を確かめようとする心理が働きます。金額、商品、サービスなど、他と比べられる材料を盛り込みましょう。
≪トーク例≫
「今、薬局などで見ると、○○円位が相場でしょうか。でも、それらにはこの成分が入っていなかったり、高かったりするのです。~という成分をプラスして、今だけもっとお得に購入できるのが新商品の…」
●第6段階:確信
「確信」は購入の一歩手前の段階。ここでのプッシュが肝心です。“この商品で間違いない”とお客様に思わせる決め手の一言を。他社商品を上回るセールスポイントなどを伝えると効果的です。
≪トーク例≫
「もし、合わなければ○日以内なら返品いただけます。でも、返品する方は少なく、~~という喜びの声もよくお聞きします。…」
●第7段階:決断
いよいよ最終段階の「決断」。お客様が財布のひもを開くかの最終関門です。“よし、買おう”と思わせるための背中を押すセリフを残しておきましょう。
≪トーク例≫
「今ならシーズン特価で30%オフ。返品もできますし、話題の商品です。まずはお試しになってみては…」
●まとめ
この例で取り上げたように、アウトバウンドで成約率を上げるには、消費者の購買心理に則りながらトークを展開することが重要です。自社のトークスクリプトが「購買心理の7段階」に沿った内容になっているかを再点検し、お客様の心をキャッチするトークへと、精度を高めていきましょう。
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