アウトバウンドコールセンターに蓄積された膨大な顧客データ。このデータからいかに“売れる顧客”を見つけていくかが、成否の分かれ目となります。そこで今回は、“売れる顧客”を見つけるための「分析手法」を紹介します。
最適な分析手法を学ぶことが、アウトバウンドの売上につながる
「パレードの法則」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。これは、「企業の売上の80%」は「20%の優良顧客」に依存するという説。言うならば、「80%の売れない顧客」に力を入れても売上はあまり伸びず、「20%の優良顧客」に対し、顧客育成の対策が有効に打てれば、売上の見込みが立つということ。それがアウトバウンドにとって重要です。
そのために必要なのが、自社のデータを分析し、「売れる顧客」を発掘すること。また、こうした分析をすることで、「どんな顧客に売れるか」も見えてくるはず。今やこうした分析手法はアウトバウンドコールセンターにとって必須知識。ここでは、その代表的な分析手法を端的にご紹介します。
・RFM分析
顧客の購買行動を下記の3つの指標、
(1)Recency(最終購買日)
(2)Frequency(購買頻度)
(3)Monetary(購入金額)
…でランク付けする顧客分析手法。RFM分析では、「R」「F」「M」の指標を顧客ごとに集計し、分類。一般的には5段階で評価します。通販の顧客評価に用いられるのが一般的です。
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アウトバウンドコールセンターでの活用例…
例えば通販業A社の場合、顧客の購入履歴に応じて次のようにポイントを付与。
1カ月以内に購入した顧客…「5」
2カ月 〃 …「4」
3カ月 〃 …「3」
半年 〃 …「2」
1年 〃 …「1」
こうした数値を計上して、5点~10点、10点~15点…というようにランク付け。点数が高いほど優良顧客と考えて、架電の頻度・内容などもランクごとに設定。特に購入頻度が高い顧客に対しては、積極的に新商品をすすめるなどの架電内容に。4~3の顧客には、さらに購入頻度が上がるよう、定期的な商品購入だとメリットがある…等のトークを盛り込むなどして、改善策が具体的になった。
・CPM分析
Customer(顧客)、Portfolio(ポートフォリオ)、Management(マネジメント)の略で、優良顧客へと引き上げていくためのアプローチ手法。CPM分析は、「在籍期間」「累積購入金額」「離脱期間」を指標に分析します。RFM分析との違いは、指標に「離脱期間」が加わること。顧客を“現役”と“離脱”で分類し、フォローアップを行うことで、顧客を保持するための手法です。新規客を増やすより既存客を守ることに主眼が置かれます。
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アウトバウンドコールセンターでの活用例…
通販業B社の場合。過去の「売上」や「頻度」などをもとに、顧客をランク付けしているほかに、「購入がない期間」を重要な指標に。離脱期間を軸に置き、5つのランクに分類。
ランク【1】初回購入後に離脱
ランク【2】数回購入後に離脱
ランク【3】安定顧客からの離脱
ランク【4】流行顧客(短期間でたくさん買い物をしてくれる顧客)からの離脱
ランク【5】優良顧客からの離脱
…というようにカテゴリー分けし、各ランクに合わせてアプローチを展開。例えば、ランク【1】の「初回購入後に離脱」した顧客であれば、コミュニケーションの回数に的を絞ってアプローチ。頻度を上げれば上げるほど、リピート客になる可能性はアップした。それぞれのランクに合わせ、アプローチ方法を変え、興味を喚起するピンポイントの情報を提供することで、ポートフォリオのボトムアップが可能になった。
●まとめ
顧客の分析手法は上記以外にもありますが、まずは自社と自社の顧客に合った分析手法を選ぶことが必要。また、分析だけで終わるのではなく、どのようにトーク内容に活かしていくか等、分析結果から“打ち手”を引き出すことが重要です。
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