| カテゴリー:スタッフの教育・育成

トークスクリプトはどう改善していく?通話録音と会話分析の活用法

トークスクリプトはアウトバウンドでのシナリオ。シナリオの質が悪ければ、演者であるオペレーターの能力は引き出せません。それでは、オペレーターが効果的に会話でき、確実に成果に導くためには、トークスクリプトの精度をどのように高めていけばよいのでしょうか。

売り手目線になってない?
トークスクリプトの改善は現場目線で

必ず受注できる完璧なトークスクリプト。そんな魔法のようなシナリオがあれば、誰でもすぐに飛びつきたいでしょう。
しかし、アウトバウンドの現実はそんなに甘くはありません。検討を重ねて作成したトークスクリプトでも、実際に運用してみると「オペレーターにとって使いづらい」「お客様の反応が想定と違う」などの齟齬が発生するものです。また、競合他社の参入や市場環境の変化といった外的要因が加われば、それに伴いトークスクリプトも見直さなければなりません。
現状の課題に合わせてトークスクリプトをその都度調整しなければ、いつの間にか現実にそぐわない内容になってしまうのです。

では、トークスクリプトを見直す際、何がポイントになるのでしょう。
それはズバリ“現場目線”。お客様と直接会話しているオペレーターの声が反映されなければ、形ばかりの修正にとどまってしまいます。現場の実情にそぐわない修正は、成果が引き出せないだけでなく、オペレーターのモチベーションも低下するでしょう。現場の声をいかにして引き出し集約するか、それがトークスクリプトを見直すカギになるのです。

実際にトークスクリプトを見直す際に陥りがちなのが、苦労して集めた現場の声に対してバイアスがかかり、“売り手目線”の修正になってしまうこと。現場の状況、お客様の声に直接タッチしていない人が修正を加えた場合、「売るための声」ばかりを重視するケースが見受けられます。「売れなかった声」「お客様の苦情」など、一見マイナスと思われる声もトークスクリプトを見直す貴重な情報源。修正する側も“現場目線”“お客様視線”になることで、買い手側の立場での実情に沿った見直しが可能になるのです。

成功パターンの集約に効果的な「会話分析」

トークスクリプトを“現場目線”で改善するための最大のポイントは、実績を上げているオペレーターのスキルや話法を検証し、共有すること。常に実績を残すオペレーターには共通した傾向があるため、そのトーク内容を分析することこそ、トークスクリプト改善の近道なのです。

トーク内容を分析する際、アウトバウンドの現場で一般的に行われているのは、通話録音をもとにした比較検証。成果の違いによって、オペレーターのトークパターンにどのような差が生じるのか、録音記録をもとに検証します。
成功パターンからは、会話の流れやリズム、相づちのタイミングなどを抽出し、トークスクリプトへと反映させます。その内容を成果が上がらないオペレーターが取り入れることにより、トークスキルの均一化が図れるのです。

そして、さらにもう一歩精度を高めた分析に有効なのが「会話分析」。会話分析は、成果を上げているオペレーターの会話の流れやキーワードを抽出するための手法です。会話のパターンを可視化し、トークスクリプトへと反映させることで、コールセンター全体のスキルアップへとつなげられます。会話分析は、以下の手順で進めるのが一般的です。

Step① 音声ログの抽出
オペレーターのなかから、成果が上がった会話ログ(成功パターン)と成果が上がらなかった会話ログ(失敗パターン)を抽出。

Step② テキスト化
オペレーターとお客様の会話を一問一答形式で抽出するなど、分析に適した形式で音声ログをテキスト化。

Step③ 分析
成功パターン、失敗パターンから出現頻度の高い単語やキーワードをピックアップ。比較検証し、成功パターンの会話の流れや話題の傾向を分析。分析には現場の実情に精通した分析者を配置し、分析結果を現場レベルへと落とし込むことで、実戦で活用できるトークスクリプトが完成します。

会話の分析手法では、単語同士の関係性のなかから課題解決を図るテキストマイニングなども、アウトバウンドでは取り入れられてきました。けれども、テキストマイニングは、人・モノ・カネと高度なノウハウがなければ導入できないため、中小規模のコールセンターにとっては現実な手段ではありません。それほど労力をかけなくとも、通話録音と会話分析を活用することより、トークスクリプトを見直すことは十分に可能です。

また、トークスクリプトを改善する際に注意が必要なのは、成功パターンの会話を一字一句違わずに取り入れようとしないこと。トークスクリプトの改善はあくまでも成功に近づく大まかな流れを確認するレベルにとどめ、オペレーターの自主性も尊重しなければ運用できません。
改善のコツは、応酬話法のパターンやクロージングの成功モデルの確立に注力すること。成功パターンの“ツボ”をすべてのオペレーターが抑えるようにすることで、安心して業務に集中できるようになり、成果が上がりやすい環境がつくられ、利益を生み出すようになるのです。

●まとめ
トークスクリプトの改善は、あくまでも“現場目線”。今までに積み重ねてきた“現場力”を集約させたトークスクリプトこそが、利益を生み出す源泉です。通話録音や会話分析を活用し、オペレーターの生の声をトークスクリプトに反映させることで、成果を生み出し、なおかつ、スタッフがやりがいを実感できるアウトバウンドコールセンターを構築しましょう。

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