客単価が10%上がれば、もっと売上が拡大できるのに…。こんな営業課題を解決するためにも、商談のアップセル・クロスセル施策に取り組む企業は少なくありません。では、アウトバウンドではどうすれば? 今回は、その方法についてご紹介します。
売上UPのために積極的に狙いたい!でも、注意点も…
例えばあなたの会社では健康飲料のアウトバウンドを行っているとします。最も売れているのが、お得な「30日分の健康飲料A」パックですが、これをフックにさらに売上を伸ばしたいのが本音。その時に取りたい戦術がアップセルとクロスセルです。それぞれ、どのように実践するのか、まずは考えてみましょう。
アップセルにつなげたいならば、次のような話し方はいかがでしょうか。
「さらに・・・に効果的な成分がプラスされた、Bドリンク(上位版)が特売中です」
「3か月分購入すると、今なら3割引きです」
…というように、1ランク上またはボリュームアップを促します。
次にクロスセルにつなげたい場合。
「○○というサプリメントと組み合わせることでさらなる効果が期待できます。今ならセット購入で2割もお得です」
…といったように、付随する商品を複合的に組み合わせて売上アップを目指します。
このように、アップセル・クロスセルは、人気商品などの販売の際に積極的に活用することで、売上アップが期待できる基本的な手法ともいえるでしょう。しかし、どんな商品にもすぐ活用できるわけではなく、注意点もあります。それは、取り扱っている商品によってアップセル・クロスセルに「向き/不向き」があるという点。
例えば…
●向いている商品の例:健康食品、食品、化粧品、家電…等
上位商品をおすすめしたり、組み合わせた例などを提案しやすい
●不向きな商品の例:生活雑貨、オーダーメイドの商品…等
上位商品がない、オーダーメイドなど一点もの、衝動買いしにくい商品。保守やサポート等は提案できるかもしれないが、アップセル・クロスセルは困難。
このような点を踏まえた上で、どのようにアップセル・クロスセルにつなげるのか、そのテクニックを考えてみましょう。
アップセル・クロスセル話法確立に向けたテクニック
知識や経験が豊富な一部の熟練オペレーターだけがアップセル・クロスセルできるというのでは意味がありません。経験の浅いオペレーターであってもすぐに実践できることが不可欠です。そのためのテクニックを2つご紹介します。
(1)話し方をパターン化して業務に組み入れる
上記でもいくつか紹介しましたが、次のような話し方をパターン化し、練習したり、トークスクリプトに組み込んだりすることが最初のステップです。
●アップセルの話法例
割引…「あともう1つ同じものを追加で買えば、送料が無料になります」
限定…「○日まで割引キャンペーン中です。この機会にまとめ買いしてはいかがでしょうか」
プレゼント…「2つ以上ご購入の方に、今なら・・をプレゼントしています」
●クロスセルの話法例
セット値引き…「“関連商品”とセットでご購入いただくと、さらにお得です」
消耗品…「“消耗品”を切らしていたら、併せていかがですか?」
相乗効果…「ご購入いただいたXの効果をアップするYもおすすめしています」
(2)タイミングを見極める
もう1つアップセル・クロスセルにつながるテクニックをご紹介すると、それはおすすめする「タイミング」です。購入する意思がない顧客に対し、やみくもにアップセル・クロスセルで提案すると、不快感だけが募ります。
おすすめするならば何と言っても「コールの最後」…つまり、購入が完了している時や購入の意志が明確になった時です。例えば、百貨店でスーツを見ている時に、しつこく商品をすすめてくる店員は不快でも、一旦購入を決めた後に、例えばワイシャツ、ソックスなどの関連商品を勧められても、抵抗を感じない場合が多いのです。
これは、商品を購入すると決めた時点で警戒するハードルが一気に下がり、聞く態勢が整っているからです。アウトバウンドにおいても、顧客にはこれと同様の心理が働きます。トークの終盤、最大限に効果を発揮できる局面を見極めて、「ここぞ」と言う時に会心の一手を放ちましょう。
●まとめ
下記のポイントに配慮し、アップセル・クロスセルに向けた「話法の確立」と「仕組み化」を進めましょう。
・商品によって「向き/不向き」があるので注意
・話法をパターン化。オペレーターに教育しレベルを均一化すること
・トークスクリプトにも組み込み、必要な時にモニタ上でも見られること
・話を切り出す適切なタイミングを見定めること
・誰でもノウハウを共有できるようにしておくこと
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